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音楽夜話vo.5 ( 2000年9月30日付け)

   ・いとしのレイラ

   今回は、エリック・クラプトンの不朽の名作゛いとしのレイラ゛のエピソードを


エリックとパティー






















エリック・クラプトン








魂のラヴ・ソング_____゛レイラ゛

________1970年________
デレク&ザ・ドミノスがまだクラブで演奏していた頃、ジョージ・ハリスンは 「オール・シングス・マスト・パス」をレコーディングしていて、エリック達にこのアルバムに加わってくれないかと話しをもちかけてきた。 実際ジョージはバンドを持っていなかったが、エリックはきっとクラウス・ヴァマンやリンゴ・スターがメインで演奏するだろうと思っていた。 だからあくまでもアルバムのバッキング・グループとしてエリックはOKした。
クリームの頃からエリックとジョージはたいへん親しくなり、しょっちゅうお互いの家を訪ねたり、セッションを重ねたりするようになっていた。 ジョージはエリックのギタリストとしての才能を高く買っていたし、エリックもジョージの音楽に対する幅広い見識やスライド・ギターの腕前を尊敬していた。 そしてことあるごとに二人は会って、ミュージシャンとして、人間として友情を暖め合っていたのだった。 

そんなある日、いつものようにギター・ケースをさげてジョージの家を訪れたエリックは、普段気付かなかった熱い視線を感じた。 ふと振返ってみると、そこにはジョージ・ハリスン夫人のパティーが優しい笑顔で立っている。 子供のような純粋さと女性らしい優しさが見事に融合しあったパティーの魅力は、エリックの心に今までにない強い印象をやきつけるのに充分であった。 そして、エリックは日増しにパティーに秘そかに思いをよせるようになっていた。

印象的なイントロで始まる ゛レイラ゛ は、そうしたパティーに対する思いを歌にたくして、激しく燃え上がる恋をエリックはその全身全霊をこめて表現したのだった。

最初はパティーの誘惑にエリックがとまどったというささいな出来事にすぎなかったが、やがて、二人の恋が実を結ぶ日がやってくる。 愛する妻を横取りされたジョージは二人の愛は気違いじみていると言ったが、もう二人の間は誰にもさくことができなかった。

この出来事で三人ともに傷つくのだが、ジョージとの友情は続き、パティーはその後エリックのもとを去ることになる。



_______1974年_______
゛ローリング・ストーン誌インタビュー゛


_____他のどれよりもこれが一番だ、というような、何か特別な曲がありますか。_____
エリック
: 過去にやった曲をすごく誇りに思うことなんて、絶対ないだろう。今度のアルバムを出す前、僕にとって何か
      しら意味のあるものは「いとしのレイラ」 だけだった。 
      あれは実際に、心を揺さぶられた経験を歌ったものだから。 ほんとに心から思っていた女性、その人に拒
      まれて、僕は何らかの方法でその気持ちを吐き出さなくちゃならなかった。 
      それで、曲を書いて、アルバムを作った。 すべてがすばらしかった。

_____当の女性はどう思ったのでしょう?_____
エリック
: 鼻にもかけなかったよ

_____面と向かっては言えないようなことを、アルバムを通じて彼女に伝えようと考えたりしま
  せんでした?_____

エリック
: そりゃあ考えたさ。 あのアルバムに入ってるブルースには、気持ちに訴えるようなものもあるしね。
      でもだめさ。 だって彼女の旦那はすばらしいミュージシャンなんだよ。 
      親友の妻、っていうパターンになっちゃったわけだけど、旦那だって何年もの間、妻に向けてすばらしい曲を
      いくつも書いてた。 それでも彼女は別れたんだ。 
      彼は昔僕の恋人をとったことがあってね、それで僕はいつかし返ししてやろうと思ってた。 くだらない次元さ
      でももとはそこだったんだ。 彼女の方は彼の気を引こうとしてた。 彼にやきもち焼かせようって思って、
      それで僕を利用したんだよ。 
      ところが僕は本気で彼女に惚れてしまった。 「いとしのレイラ」 の歌詞のとおりさ 
      「君を慰めようとしたんだ / あいつがきみを悲しませたとき / 馬鹿な僕、きみに恋するなんて /
       僕の世界はもうめちゃくちゃだ」 

_____曲を書くためには危機を経験することが必要だったのでしょうか。_____
エリック
: ああ、そうだったんだろうね。

_____レイラという名前はどういうところから出てきたんですか。_____
エリック
: 11世紀だか12世紀に書かれた、ペルシャのラヴ・ストーリー、まあラヴ・ストーリーみたいなもんだね、
      そこから取ったんだ。 それだけのことさ。 
      「レイラとマジュヌーン」 っていう題だった。

_____じゃあレイラはマジュヌーンを拒むわけ?_____
エリック
: どちらも相手を拒まない。 お決まりの話しだけど、親が気に入らないのさ

_____では、あなた自身の体験とは関連がないんですね。_____
エリック
: 全然。 ただその名前が気に入って、ストーリーがすばらしかったから。 そういう意味でなじんだのさ。

_____「いとしのレイラ」 は報われない愛をテーマに、意識的にコンセプト・アルバムとして
   作ったのですか。_____

エリック
: あれはあの頃の僕にとって一番ヘビーなできごとだったんだ。 だからそう、あんなふうになったんだと思う。 
      意識してやったんじゃない。 たまたまああなってしまっただけだ。 
      僕が一番書きたかったものがああいうものだったんだよ。


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